半導体業界はとてもとても奥の深い業界です。
そんな半導体業界で誰もが知っている企業と言えばそう、
「インテル、入ってる」、のインテルです。
売上も世界一であり、知名度も世界一・・・
そんなインテルが時価総額で、AMDに抜かれているらしい・・・(2022年8月1日現在)
インテル:151,129百万USD
AMD:156,833百万USD
なぜなのか・・・この2社の何が明暗を分けたのか両者の会社を比較していきましょう。
成長性
株価は将来の成長を先に先に織り込んでい性質があります。
現状の売上が少なくても、今後の成長性を織り込んで他の売上の高い企業より、時価総額が大きくなることも良くあります。
最近の例ではテスラでしょうか。売上はまだまだですが、世界中の自動車メーカーの時価総額を累計してもテスラの方が大きくなっているという状況です。
これはテスラの将来性を投資家が織り込んだ結果と言えるでしょう。
では、インテルとAMDの成長性はどうでしょう。
2社を比較すると、2021年12月期で
売上については、インテルがAMDの4.8倍
営業利益が6倍
まだまだ大きな差があります。
2017年12月期でも比較してみよう。
売上が11倍
営業利益が89倍
とんでもない差である。
この差が、4年でここまで縮まっているので、AMDの成長率がいかに凄いかが分かります。
業績の詳細
AMD
AMDは3つのセグメントで構成されています。
- コンピューティングとグラフィックス
- エンタープライズ、組み込み、セミカスタム
- ザイリンクス
コンピューティングとグラフィックスは、主に、デスクトップ、ノートPCのCPU、GPU、データセンターおよびプロフェッショナルGPUが含まれます。
エンタープライズ、組み込み、セミカスタムは、サーバー向けCPUのEPYCシリーズ、ゲーム機向けCPU、GPU、組み込み半導体などが含まれます。
ザイリンクスは、2022年2月14日に買収した企業です。
2022年1Q | 2021年4Q | 2021年3Q | 2021年2Q | 2021年1Q | |
---|---|---|---|---|---|
コンピューティングとグラフィックス | |||||
売上高 | 2,802 | 2,584 | 2,398 | 2,250 | 2,100 |
前年比 | 33.4% | 31.8% | 43.9% | 64.6% | 46.0% |
営業利益 | 723 | 556 | 513 | 526 | 485 |
前年比 | 49.1% | 34.8% | 33.6% | 163.0% | 85.1% |
エンタープライズ、組み込み、セミカスタム | |||||
売上高 | 2,256 | 2,242 | 1,915 | 1,600 | 1,345 |
前年比 | 87.8% | 74.6% | 68.9% | 183.2% | 286.5% |
営業利益 | 881 | 762 | 542 | 398 | 277 |
前年比 | 218.1% | 213.6% | 284.4% | 1106.1% | 黒点 |
ザイリンクス | |||||
売上高 | 559 | ||||
営業利益 | 223 |
セグメント別の業績を確認すると、エンタープライズ、組み込み、セミカスタムの業績の伸びがすごいことが分かります。
2021年3Qで鈍化したようにも思えましたが、2021年4Qから再び加速しています。
昨今はクラウド化も加速しているので、この分野は今後も堅調に推移することが予想できるでしょう。
インテル
会計期1年ずれていますが、インテルのセグメント別業績は以下になります。
インテルのセグメントは以下で構成されています。
- クライアントコンピューティンググループ
- データセンターグループ
- IOTグループ(IOT)
- IOTグループ(モービルアイ)
- 不揮発性メモリグループ
- プログラマブル・ソリューション・グループ
いろいろセグメントがありますが、基本的にはパソコン向け、データセンター向けのCPU、メモリが主力となります。
2021年1Q | 2020年4Q | 2020年3Q | 2020年2Q | 2020年1Q | |
---|---|---|---|---|---|
クライアントコンピューティンググループ | |||||
売上高 | 10,605 | 10,939 | 9,847 | 9,496 | 9,775 |
前年比 | 8.5% | 9.3% | 1.4% | 7.4% | 13.8% |
営業利益 | 4,120 | 4,508 | 3,554 | 2,842 | 4,225 |
前年比 | -2.5% | 10.3% | -17.4% | -23.9% | 37.5% |
データセンターグループ | |||||
売上高 | 5,564 | 6,088 | 5,905 | 7,117 | 6,993 |
前年比 | -20.4% | -15.6% | -7.5% | 42.8% | 42.7% |
営業利益 | 1,273 | 2,077 | 1,903 | 3,099 | 3,492 |
前年比 | -63.5% | -40.2% | -38.9% | 72.2% | 89.7% |
IOTグループ (IOT) | |||||
売上高 | 914 | 777 | 677 | 670 | 883 |
前年比 | 3.5% | -15.5% | -32.6% | -32.0% | -3.0% |
営業利益 | 212 | 123 | 61 | 70 | 243 |
前年比 | -12.8% | -49.4% | -80.3% | -76.2% | -3.2% |
IOTグループ (モービルアイ) | |||||
売上高 | 377 | 333 | 234 | 146 | 254 |
前年比 | 48.4% | 38.8% | 2.2% | -27.4% | 21.5% |
営業利益 | 147 | 110 | 47 | -4 | 88 |
前年比 | 67.0% | 93.0% | -29.9% | -107.5% | 29.4% |
不揮発性メモリグループ | |||||
売上高 | 1,107 | 1,208 | 1,153 | 1,659 | 1,338 |
前年比 | -17.3% | -0.7% | -10.6% | 76.5% | 46.2% |
営業利益 | 171 | 76 | 29 | 322 | -66 |
前年比 | -359.1% | -179.2% | -105.8% | -213.4% | -77.8% |
プログラマブル・ソリューション・グループ | |||||
売上高 | 486 | 422 | 411 | 501 | 519 |
前年比 | -6.4% | -16.4% | -18.9% | 2.5% | 6.8% |
営業利益 | 88 | 43 | 40 | 80 | 97 |
前年比 | -9.3% | -49.4% | -56.5% | 53.8% | 9.0% |
その他 | |||||
売上高 | 620 | 211 | 106 | 139 | 66 |
前日比 | 839.4% | 102.9% | 58.2% | 113.8% | 24.5% |
営業利益 | -2,317 | -1,053 | -575 | -712 | -1,041 |
前年比 | 122.6% | 0.2% | -39.0% | -31.2% | 22.5% |
AMDと比較すると、マイナス成長しているセグメントも目立ち今後も少し不安な面はありますね。
しかし売上高の高さからは、まだまだ大きなシェアと持っていることが分かります。
投資するならどっち?
個人的な観点から言うと、僕は成長株が好きなので、今投資するという意味ではAMDが良いのかなと思います。
しかし、AMDの株価は今後の成長も織り込んでいるように思うので陰りが見えると一気に売られる可能性もあります。
インテルは配当もしっかりだしており、まだまだ売上も大きな企業なので、今後復活する可能性も込め、配当を貰いつつ待つのもありっちゃありかもしれません。
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